国際コミュニケーション学部 川村拓也助教が共訳書を出版
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研究活動 / 2024.06.12 update
国際コミュニケーション学部 川村拓也助教が翻訳を担当した書籍が、5月31日に明石書店より出版されました。
<書籍名>
「よい教育研究とはなにか 流行と正統への批判的考察」
著 者:ガート・ビースタ
翻訳者:亘理 陽一 訳、神吉 宇一 訳、川村 拓也 訳、南浦 涼介 訳
出版社:明石書店
【川村助教からのコメント】
「英単語をいっぱい知っている」とか「英文が正確に読めるようになる」とか、そういった英語の知識・技能を高めようと躍起になる英語の授業を中学生・高校生の頃から私は好きになれませんでした。大学や大学院で学び、言語の教育・学習についての議論が知識・技能をいかに身につけさせるかという枠をなかなか出ないことにもどかしさを感じるようになりました。
2年前、北陸大学に着任して「研究者」と呼ばれる立場になり、次世代の教師を育てる「教師教育者」という立場にもなりました。それ以降、本学で言葉を学ぶ学生たち、教師を目指す学生たちと向き合う中で、「本当に意味のある研究」とは何か、「未来の世界にとって価値のある教育」とは何かを、自問し続けてきました。そんな私にとって本書の翻訳に関わることは、ある意味「必然」だったと感じています。
本書によって、教育に関わる一つ一つの研究や実践が未来の社会に対してどのような「価値」を持ち得るのかという議論が促されることを願っています。本来その議論は、研究や実践が学習者に対してどのような「効果」を持ち得るのかという問いより先に、徹底的に吟味されなければならないのです。
言語教育分野に限らず、教育研究に関わる全ての方に本書を手に取っていただければ幸いです。