世界一の長寿大国日本では、2050年までに100歳以上人口が100万人を突破し、2007年以降に生まれた子どもの半数は107年以上生きると予想されています。人生100年時代を迎えた社会では、住み慣れた地域で自分らしい生活を送り続ける「健康な身体」が、ますます大きな意味と価値を持ちます。

しかし、長い人生において、避けて通れないのが病気や怪我のリスクです。また、スポーツ障害、交通事故の後遺障害、脳卒中などの疾病に起因する神経障害、生活習慣病による内部障害など、それまでの生活を一変させる「障害」を引き起こす可能性もゼロではありません。そうした身体の動作能力や運動機能の改善、回復をはじめ、介護予防、健康の維持・増進に向けて、理学療法の領域から寄与する理学療法士は、健康長寿社会を支える重要な医療専門職です。

北陸大学は1975年の開学以来、「健康社会の実現」を使命としてまいりました。2023年4月開設予定の医療保健学部 理学療法学科では、理学療法の確かな知識・技術・マインドを備え、科学的根拠に基づいて身体に影響を及ぼす支障を見極めて解決し、高度化・多様化するチーム医療に貢献するこれからの理学療法士を養成します。

理学療法士とは?

病気、怪我、高齢、障害などにより、活動・生活の基盤となる基本的な動作能力や運動機能が低下した人々(またはその恐れのある人々)に対して理学療法を行い、動作の改善や回復を図る国家資格です。

  • 動作能力・運動機能の改善、回復
  • 高齢者の運動機能低下の予防
  • 生活習慣病などの予防
  • アスリートの競技復帰、競技力向上

理学療法士は、赤ちゃんから高齢者までを対象として、幅広いフィールドで活躍できる専門職です。病院やクリニック、介護施設をはじめ、特定保健指導や介護予防など、予防のための専門家として活躍することも期待されています。また、障害者福祉センターや障害者(児)通所・入所施設、特別支援学級・学校に勤務して障害者や障害児、児童・生徒に関わることも重要な仕事です。このほか、スポーツチーム専属の理学療法士、大学や研究所、行政の保健所や保健センター、企業に勤務するなど、活躍のフィールドは実に多彩です。近年は、ロボットなどの先端的デバイスを用いて複合的なリハビリを提供できる理学療法士のニーズも高まっています。

本学は、「健康社会の実現」を目指して、
地域医療に貢献する専門職を広く養成します

北陸大学は、人類の文化の躍進と福祉の向上、国民の健康に奉仕する大学を標榜して、1975年に開学しました。開学当時から薬剤師を養成する薬学部を設置し、2017年には臨床検査技師および臨床工学技士を養成する医療保健学部を設置し、地域医療に貢献する医療系専門職を広く養成してまいりました。2023年4月の理学療法学科開設により、薬学部および医療保健学部がこれまで以上に連携を強化し、よりきめ細かく総合的に地域医療に携わる人材養成を行い、本学の使命である「健康社会の実現」を目指してまいります。

理学療法学の専門知識と技術が修得できる徹底した基盤教育

理学療法の基盤となる幅広い科目を学び、代表的疾患・障害、特に運動器疾患、脳血管疾患、内部疾患(心大血管疾患、呼吸器疾患、糖尿病等)への理解を深め、専門知識と技術を修得します。

実践的で体系的な臨床実習(医療・介護施設等)の展開

患者・利用者・対象者を軸に、個々の要望や願いをベースとした実践的かつ体系的な臨床実習を通して、医療専門職に不可欠な倫理観、使命感、責任感を醸成します。

スポーツ、介護予防、健康増進に貢献できる知識と技術の育成

スポーツ外傷・障害の予防、介護予防、生活習慣病予防、フレイル予防などに対する知識・技術を深め、疾患別リハビリテーションから介護予防、健康増進にも貢献し得る人材を育てます。

経験と実績豊富な実務家教員による教育

研究業績と実績豊富な実務家教員が、医療・介護領域から予防領域、地域での健康増進活動など、今後、理学療法士の活躍が期待される領域までを網羅する実践的な教育を行います。

科学的根拠に基づくリハビリテーションが身につく最先端の教育・実習・研究環境

地域の医療機関や介護施設、企業、スポーツチームと提携した教育・臨床・研究の拠点として、先端的デバイスを用いた運動指導や実践データの提供、卒後教育セミナーを行う最先端の環境を整備します。

カリキュラム
1年次
社会人、医療人としての教養を深め、理学療法学の基礎を学ぶ。

さまざまな境遇の方に対応するために社会人、医療人としての教養を身につけるとともに、理学療法学の基礎を学びます。また、早期の現場見学により、学びに対するモチベーションを高めます。

  • 解剖学、生理学、運動学、人間発達学、リハビリテーション医学、理学療法学概論、基礎理学療法学、運動療法学、理学療法評価学、臨床基礎実習、東洋医学、情報リテラシー、心理学、社会学 など
2年次
医学、疾患別・障害別理学療法学を学び、理学療法士の可能性について視野を広げる。

理学療法の対象となる疾患や障害に関する医学的知識、基本的理学療法の具体的な考え方と手法について学びます。1年次で学んだことを実際の現場で体験学習し、さらに理解を深めます。

  • 整形外科学、内科学、小児科学、病理学、神経内科学、理学療法評価学実習、検査測定実習、運動器障害理学療法学、神経障害理学療法学、内部障害理学療法学、物理療法学、義肢装具学、先進技術と理学療法、東洋医学治療学 など
3年次
より専門的な知識と技術を修得し、理学療法士に必要な技能を身につける。

医療、介護、保健領域の専門知識と地域での活動について幅広く学ぶほか、2年次に学修した理学療法の実技を修得します。3年次前期までの学びを病院等で体験し、さらに理解を深めます。

  • スポーツ障害理学療法学、発達障害理学療法学、薬理学、臨床心理学、画像診断学、栄養学、救急処置法、地域包括ケアシステム論、運動器障害理学療法学実習、神経障害理学療法学実習、内部障害理学療法学実習、臨床評価学実習 など
4年次
臨床現場で理学療法の体験学習を行う。卒業研究に取り組み、卒業論文を完成させる。

3年次までの学びをもとに、病院等で一連の理学療法について体験学習(インターン実習)を行います。4年間の学びと実習の集大成として、興味のあるテーマについて卒業研究に取り組みます。

  • 総合臨床実習、総合理学療法学演習、地域理学療法学実習、卒業研究 など
国際交流プログラム

国際的な視野を広げるために、希望者を対象に海外研修の実施を予定しています。
現地の病院や医療機関などの見学および研修を通じて、日本と海外の医療事情を比較検討し、リハビリテーションの知識を深めます。

取得可能な資格

■理学療法士(国家資格)受験資格

最先端

理学療法学科の開設とともに地域の人々や遠隔地の在住者を対象とする理学療法の拠点づくりを目指しています。医療機関や介護施設、企業、スポーツチームと提携した教育・臨床・研究の拠点として、先端的デバイスを用いたエビデンスのある運動指導や実践データの提供、卒後教育セミナーなどを行い、最先端の教育に広く活用することを計画しています。

新校舎には、ヒトを対象とした臨床的、基礎的研究のほか、動物実験による基礎研究も行える「動物実験室」、先進的ロボットや遠隔地との通信システムを活用する「実験研究室」、最先端の計測機器や運動機器、物理療法機器を備えた「運動学・機能評価室」を完備。理学療法に関わる先端的研究を実践するための充実した学習環境を整備します。
(2023年3月完成予定)

教育理念

人々の命を守り、健康維持・増進に貢献する理学療法士を養成することにより、健康豊かで安心な社会を目指す。

人材養成の目的

疾病の治療・予防、介護予防・障害予防、人々の健康維持・増進に理学療法の領域から寄与し、科学的根拠に基づくリハビリテーションが実践できる理学療法士を養成する。

学費

入学定員 入学金 授業料 教育充実費 初年度(1年次)合計 2年次以降 合計
60人 200,000円 1,100,000円 400,000円 1,700,000円 1,500,000円

(※2023年4月開設時の授業料等の予定額です。 )

高度化・多様化するチーム医療に貢献し、
人々の身体、生活、人生に優しく寄り添う
理学療法士を育てます

医療保健学部 教授
学長補佐(新学科設置準備担当)
公益社団法人日本理学療法士協会 副会長
大工谷 新一

理学療法士は、様々な病気やケガ、障害により、日常生活に支障を来した方を治療し、支え、改善し、生活を共に再設計する医療専門職です。病院や施設、地域で病気やケガ、障害のある方に関わるだけでなく、障害や病気の予防、健康維持・増進の領域でも活躍が期待されています。科学的根拠と論理的思考に基づいて、身体の支障を最も早く解決する方法を見極め、実践する理学療法士の能力は、AI(人工知能)研究者をはじめ広く社会から評価され、ロボット工学の分野でも注目されています。一方で、理学療法士が患者さんに関わる場面では、対人関係や信頼関係が重要であり、その関係構築や実際に対応する場の「空気」はAIには作ることができないとも言われています。理学療法学科では、多様な分野で経験を積んだ実務家教員が、これからの理学療法士に求められる確かな知識・技術・マインドを教育し、本学の使命とする「健康社会の実現」に向けて全世代の人々に優しく寄り添える理学療法士を養成します。