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カンボジア研修:負の遺産研修


国際コミュニケーション学部では、8月15日から9月5日までカンボジアで研修を実施し、15名の学生が参加しました。

研修中、ポル・ポト政権時代の負の歴史について実地で学びました。

8月16日にプノンペンのツールスレン刑務所、8月30日にはシェムリアップのキリングフィールドを見学しました。

下記は、国際コミュニケーション学科3年次生の森麻美さんのレポートです。

 

【森さんのレポート】

ツールスレン刑務所とは、「刑務所」という名前が付いていますが、実際にそこに収容されていたのは、ポル・ポトの非現実的な理想国家を創るために犠牲となった、何の罪もない一般の方々です。そこに収容された人々は犯してもいない罪の自白を強要され、精神的・身体的拷問を受け、死を選んだ方が幾分かましだと思うのに死を選ぶ自由さえ与えられないほどの日々を送らされました。

そのような当時のままが現存しているツールスレン刑務所を見学して、もし私が30年ほど前にカンボジアに生まれていたとしたら、ここにいたのは私だったかもしれないという恐怖と、非人道的なことを人が人にしていたという人間の愚かさ、誰も止めることができなかった当時の国際関係を考えさせられました。現在は博物館となっているこの建物の中にあるのは思わず目を背けてしまいたくなるような独房や拷問器具、当時を伝える写真や絵ばかりです。ですが、だからこそ、二度とこの悲惨な歴史を繰り返さないために、今を生きる人々がしっかりと向き合うことが必要な内容だと思いました。

キリングフィールドはその名の通り、ポル・ポト政権下に殺された方の遺骨が無数に出土することから名付けられた地です。この研修に参加しなかったとしたら生涯見ることのなかったであろう人の頭蓋骨を沢山目にしました。ハロウィンやエンターテインメントの場面でしか頭蓋骨を見たことがなかった私にとっては、元々は一つ一つ顔があって、ひとりひとり生きていた人だったと思うといたたまれない気持ちになりました。

一度知ってしまったら知らなかった頃には戻れないほど、自分の戦争や独裁体制に関する考えを改める貴重な経験でした。カンボジアに訪れる機会がある際には、絶対に足を運んで自身の目で見てほしい場所です。

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