薬学臨床系薬理学分野
代替医療薬学・実験治療学研究室

HOKURIKU UNIVERSITY

研究概要と研究テーマ


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生活習慣病(life style-related disease)と呼ばれている疾患は,これらの発症が食生活や運動,嗜好等の生活習慣に大きく依存し,生活習慣を是正することによって予防や症状の改善が可能であると考えられています。この生活習慣病に属する糖尿病,高脂血症,高血圧,痛風,更には脳卒中のような動脈硬化性疾患等の危険因子と考えられている要因(過栄養、運動不足、ストレス等)は,我々の生活環境の中に潜んでいます。

一方,生活環境が脳神経機能に対して影響を及ぼすことは,これまでの疫学的研究や神経栄養学的研究からその一端を垣間見ることが出来ます。食事制限や運動、更には一部の栄養素が脳の老化(神経細胞の退行性変性)を妨げる可能性や、脳機能に対してコミュニケーションやストレス環境等様々な生活環境が影響する事などがその例であります。脳やその機能を支配する神経細胞の基本的な構造や機能が明らかにされてきた現在,人間を取り巻く生活環境の脳内環境や神経機能に及ぼす影響,更にはそのメカニズムを個体,細胞並びに分子レベルで解析することが可能になってきました。また生活環境と脳神経機能との関わりを探究することは,健康な生体環境をつくるためにも重要な研究課題であると考えられます。

以上のような背景から"栄養素並びに生活環境の脳神経疾患及び精神疾患予防アプローチへの応用"を研究テーマの軸に,栄養,運動並びにストレス緩和の脳神経機能に及ぼす影響やその作用メカニズムについて実験神経学,脳神経科学を基盤にした研究を進めていきます。更に脳神経疾患及び精神疾患の予防若しくは機能修復に関わる栄養素並びに生活環境の探索,及びそれらの作用機序の解明についても精力的に研究を推し進めていきます。

 

主要研究テーマ


Research Unit for Neurodegenerative Diseases 【神経変性疾患プロジェクト】

パーキンソン病モデル動物及び細胞におけるドパミン神経保護物質(栄養素や天然物)の探索研究

Research Unit for Psychiatric Diseases 【精神疾患プロジェクト】

非薬物療法の脳内環境に及ぼす影響と情動行動改善効果に関する行動薬理学的研究

Research Unit for Experimental Neurology 【実験神経学プロジェクト】

精神的ストレスのドパミン神経脆弱性に及ぼす影響並びにパーキンソン病発症メカニズムに関する実験神経学的研究

Research Unit for Clinical Neurology 【臨床神経学プロジェクト】

パーキンソン病の病因や新規パーキンソン病治療薬の開発動向に関する調査研究

Research Unit for Alternative Medical Sciences 【代替医療科学プロジェクト】

脳神経疾患・精神疾患に対する代替医療アプローチの有効性や科学的根拠に関する調査研究