2020年６月12日

保護者の皆様へ

北陸大学学長　小倉　勤

謹啓　梅雨の候、時下ますます御清祥の段、お慶び申し上げます。日頃から本学の教育研究に対しまして、御理解と御支援を賜り厚く御礼申し上げます。

北陸地方はこの11日に梅雨入りし、キャンパスを囲む新緑もひときわ色鮮やかに映っております。保護者の皆様におかれては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う「緊急事態宣言」が解除されたとはいえ、まだまだ気を緩めることはできず、「自粛」を伴う日常生活が続いていることと存じます。

さて、既に御案内のとおり、本学においては、学生の皆様の安全を最優先に、かつ十分な学修機会の提供をすることに思いをいたし、６月３日から対面形式による「面接授業」を再開しました。もとより、一気に面接授業に全面移行することはせず、４月22日から開始したインターネットを活用しての「遠隔授業」も織り交ぜ、この6月一杯を「助走期間」と位置付けて学生・教職員の健康に注意を払いながら授業に取り組んでおります。

学生の皆様には、登学前に必ず検温をしていただくようお願いしています。各キャンパスには検温を確認するブースも設置し、発熱症状が見られたり、少しでも体調不良を感じたりした場合には自宅で療養するよう指導しておりますが、学生自身にもこうした日常的に健康管理に気を付ける生活が浸透しているように見受けられます。加えて、大学では必ずマスクを着用すること、講義室に入室する際には各講義室に備付けの消毒用アルコールで手指消毒を行うこと、授業中も定期的に換気すること等々、徹底的な感染防止策を施しているところです。

新型コロナウイルス感染防止のためには、「換気の悪い密閉空間」「多数が集まる密集場所」「間近で会話や発声をする密接場面」を避けるという、いわゆる「３密」の回避が重要だとされています。授業を行う上でもこのような「３密」の状況を作らないことはもちろんのこと、学内の様々な所でこの対策に取り組んでいます。

一例を挙げれば、学生食堂では、着席可能な座席を指定して間隔を空けるとともに、アクリル板を設置して昼食時の対応に万全を期しております。朝の通勤・通学の時間帯には、本学の学生・教職員専用の臨時バス５便を運行させ、通勤・通学ラッシュによる「３密」回避の措置も講じております。

保護者の皆様からは、修学支援に関するお問合せを少なからずいただきました。こうした御要望にできる限りお応えするため、前期学費の納付期限延長などの措置を取りましたが、新たな支援策として後期学費の納付期限を10月末から12月末までに延長することをはじめ、本学独自の取組を打ち出しております。

遠隔授業受講に伴う通信環境整備等に関する費用を一部補助することとし、休学している方を除いて本学に在籍する学生全員に1人一律３万円を給付します。これについては、原則として後期学費を３万円減額することで措置いたします。また、2020年度の学費を準備することが困難になった２年次生以上を対象として、無利子貸与型の緊急奨学金の対象者枠を増やして受け付けます。

さらには、給付型奨学金の制度を新たに設け、家計が急変したために収入が大幅に減少するなどして経済的に学業継続が困難な学生の学費を減免いたします。国の修学支援新制度の対象者は除くこととしますが、現在、応募方法、減免金額、要件などについて急ぎ検討しておりますので、今しばらくお待ちいただきたいと存じます。

７月以降の授業等につきましては、国や自治体の方針に沿い、状況を見極めながら判断してまいります。ただ、この判断においても、学生の皆様の安全と学修機会をいかに確保するかが基本となります。保護者の皆様におかれては、新型コロナウイルスへの不安をぬぐえぬ日々を送られているかと存じますが、教職員一同、全力で学生の皆様をサポートさせていただく所存です。今後ともなお一層の御理解、御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

謹白