教員紹介

INTRODUCTION OF TEACHERS

林 洋一


林 洋一

専門

  • 発達心理学
  • 臨床心理学

主な担当科目

  • 基礎ゼミナール
  • 心理学

所属学会

  • 認知神経科学会
  • 日本K-ABCアセスメント学会
  • 日本子育て学会

趣味

  • カメラ
  • 写真撮影

私の考えていること

 「不条理」という言葉があります。一般的な意味は「筋道が通らないこと」、「道理に反すること」ですが、心理臨床に関わる仕事をしていると、使いたくなる言葉の一つです。たとえば、うつ病を患い、生きることの意味を見出せなくなっている人、消えてなくなること(つまり、死ぬこと)を唯一の希望としている人、自分などいない方がよいと本当に思い込んでいる人は少なくありません。このように思い悩んでいる人に「悪い人」は少なく、真面目で誠実、そして本質的に善良な人が多いのです。なぜこのような人たちが悩み苦しむのに、世の中に少なからぬ害を与えている人々が逞しく堂々と生きているのか、あの人たちはどうして悩まないのか、などと、考えても意味のないことを考えざるを得ないことが少なくありません。
 しかしながら、どのような人生であったとしても、その人なりの意味はあり、かけがえのない価値があるはずです。このことを教えてくれたのは、高校時代に読んだサマセット・モームの「人間の絆」でした。
「ペルシャ絨毯の哲学」として知られていますが、簡単に言えば、「人生に意味はない。だから、一つしかない自分の人生を、複雑精緻なペルシャ絨毯のようにただ織り上げていけばよい。それは、最後に、自分だけが知る芸術作品になっている」というような意味でしょう。
 あなたは、そして私は、これからどのようなペルシャ絨毯を編み上げていくのでしょうか。

高校生へのメッセージ

 かつて、大学は社会に出るまでの「レジャーランド」と言われていました。しかし、今は「社会人予備校」になってしまったようです。私は、この両方の要素が大学生に必要だと考えています。学び、働き(ボランティアでもアルバイトでも)、そして遊んで下さい。大学時代の様々な経験は、必ず、あなたの人生をより豊かにしてくれるはずです。たとえその中に悲しいこと、辛いことがあったとしても。

おすすめの本

  • フランクル回想録 -20世紀を生きて- V.E.フランクル著 山田邦男訳 春秋社 1998
  • 1945年のクリスマス -日本国憲法に「男女平等」を書いた女性の自伝- ベアテ・シロタ・ゴードン 平岡磨紀子(構成・文) 柏書房 1995
  • はじめてふれる人間関係の心理学 榎本博明著 サイエンス社 2018

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