教員紹介

INTRODUCTION OF TEACHERS

山本 啓一


山本 啓一

専門

  • 初年次教育
  • キャリア教育
  • まちづくり
  • 地域防犯(犯罪機会論)
  • 国際政治学

主な担当科目

  • 基礎ゼミナール+ライフプランニング論
  • 国際マネジメント入門(FSP)
  • 未来創造論Ⅱ(文章表現科目)

所属学会

  • 日本国際政治学会
  • 初年次教育学会(理事)
  • 大学教育学会

趣味

  • 食に関する本を集めること

私の考えていること

 私が大学に入学したのは25年前のことです。大学2年生の時に、故阿部謹也先生(西欧中世社会史)のゼミに参加しました。当時1・2年向けの教養ゼミでも専門の先生が開講しており、自分の学部関係なくゼミを履修できました。ゼミは輪読が中心でしたが、夏には中軽井沢の旅館でゼミ合宿が行われました。合宿では、「自分はどういう歴史を辿ってここにいるのか」ということを語るのです。阿部先生は、「自分の中に歴史を見いだせなければ、社会の歴史を研究する意味はないのです」とおっしゃっていました。阿部先生は、専門ゼミ、大学院ゼミも持たれていました。飲み会も何度もありました。先生は当時スター学者でしたが、毎年ゼミごとに複数回ゼミ合宿をされるなど、かなりの時間を学生のために割いていたのです。
 私が大学時代に出会った先生方はそんな方々ばかりでした。ひと夏に何回も学生たちのために時間を作って、合宿などを行っているのは普通でした。私が受けたこうした学恩を私自身が自分の学生に伝えていくのも、大学教員である私の責務だと思っています。

高校生へのメッセージ

 今の大学生は昔よりはるかに大変です。奨学金などの経済的なリスク、アルバイトなどの生活バランスをめぐるリスク、就職のリスクなど、昔よりもずっと大変な環境にさらされています。そんな大変な思いをして大学に進学する人も多い中で、「大学に行っただけのことはあった」と思えるような価値のある教育を提供したいと考えています。

おすすめの本

  • 阿部 謹也『「世間」とは何か』講談社現代新書、1995年。
  • 田中 克彦『差別語からはいる言語学入門』ちくま学芸文庫、2012年。
  • 野林 健・納家 政嗣『聞き書き・緒方貞子回顧録』岩波書店、2015年。

 いずれも学部時代のゼミの先生の本です。阿部謹也先生は2年ゼミの先生。西欧中世社会史の大家ですが、日本社会は「世間」というあいまいなものが人々の行動原理を規定していると主張する本書には一読の価値があります。田中克彦先生は3・4年のサブゼミの先生。先生の差別語に対する主張が込められています。わかりやすくて面白い良い本です。興味があれば他の本もぜひ。野林先生は学部・大学院の恩師。野林先生の師匠が緒方貞子先生。野林先生は実は聞き取り調査の達人で、本書は緒方先生の魅力が存分に引き出されています。読むと元気の出る本です。

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