教員紹介

INTRODUCTION OF TEACHERS

髙橋 純子


髙橋 純子

専門

  • 血液浄化学
  • 安全管理学
  • 透析災害対策
  • 成人看護学(急性期、慢性期)

主な担当科目

  • 救急処置
  • 学校保健
  • 医療環境概論

所属学会

  • 日本透析医学会
  • 日本赤十字看護学会
  • 日本健康医学会
  • 日本腎不全看護学会
  • 日本臨床工学技士会
  • 日本看護学会 ほか

趣味

  • ダイエット食品、サプリメント、器具を収集すること(実践・継続はできません)。 ネットショッピング(スィーツ、グルメ)。

私の考えていること

 私は、過去に看護師、臨床工学技士としての職務経験があります。毎日、毎日患者さんの命を守り生活の質の向上を考えることに喜びと充実を感じていました。私よりも遥かに年齢が高い高齢の方を対象に、食事の指導や退院後の教育などを行うこともありました。このことで患者さんの意識を改善し、生活の質を向上させ周囲の家族も満足した生活を送ることができると信じていました。

 ある日、私の父が余命6ヶ月の膵臓がん、肝臓がんを患い苦しい闘病生活を送りました。日常生活も十分に満足に自身で行うことができない状況において、食事制限や日常生活の指導は一体誰のために、何のためにあるべきかを再度考えさせられました。医療者は時に死期が迫った人間の思いや気持ちに反して、よかれと思うこと、すれば良くなるなどを容易く言葉として表現し、実践します。しかし、医療者が思っていることを患者さんの全てがして欲しいとは思っている訳ではありません。生かされた時間を苦痛なく安全に、楽しく、幸せに過ごすことが患者さんの本当の願いであることを父の死を経験して理解することができました。そこから臨床で接する患者さんに対して食事面での管理に少し失敗しても、水を飲み過ぎたとしてもあまりうるさい、厳しい対応をすることをやめました。職務経験年数的に余裕も出たのかも知れませんが、なぜ失敗したのか、水を飲み過ぎたことに対してどのような原因があるのかを患者さん個人個人の生活背景を含め考えることができるようになりました。

 現在も誰の、何のための医療か、医療は患者さん中心にあることを常に考え研究活動に取り組んでいます。今は、透析を受けている患者さんがより良い生活を営めるように患者さんひとりひとりに意見を聞き、問題を抽出し、安楽な透析を受けられる提案をしています。また、災害時に他の施設に移動して透析を受ける必要が生じた時に困らないようにするために治療条件を管理するソフトを開発しています。

高校生へのメッセージ

 医療現場の世界で働くことは、テレビドラマのようにかっこいいように映りますが、本当は違います。患者さんにありがとうと言われたい、親が医療従事者だから、なんとなく等の志望動機は入学してからのギャップを生じます。患者さんは苦しいのを何とかして欲しい、痛いのを取り除いて欲しい、後遺症が残ったとしても今までとかわりない日常生活を送りたい、安楽な死を迎えたいなど、個人個人のニードがあります。そのニードに寄り添い向かい合うことが真の医療従事者であると私は考えます。学生さんの希望を満たすために患者さんは医療を提供されている訳ではありま せん。それを十分に理解し、北陸大学で存分に学んで欲しいと思います。

おすすめの本

  • 福原 麻希「がん闘病とコメディカル」:講談社現代新書,2007