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中国民間信仰の研究を深めたい

国際コミュニケーション学部 国際コミュニケーション学科

二ノ宮 聡 講師

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  • #宗教文化
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PROFILE

国際コミュニケーション学部 国際コミュニケーション学科

二ノ宮 聡 講師

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Q.出身大学を選んだ理由を教えてください。

中国文化を勉強したくて

中国の文化を勉強したくて、中国語学科がある大学を探しました。中国語学科で文史哲が揃っている大学、あとは関西圏に行きたかったから、関西大学を選びました。

ちなみに、なぜ関西に行きたかったかというと、出身は群馬県なので大学進学ではみんなだいたい東京に行くのですよね。同じことをしてもつまらないので、だったら私は関西って。変わり者だったのかもしれません(笑)

Q.なぜ、中国語を勉強したかったのですか?

封神演義がきっかけ

高校生の時に、中国の小説を題材にした漫画『封神演義』を読んで、中国に興味が湧いたのがきっかけですかね

Q.大学生活はどうでしたか?

中国語中国文学科に入ったはいいものの、中国語をほとんどやらなかった。そんなこともあって、勉強をほとんどせず、バイト代で買ったバイクを乗り回していましたね。単位を落とさない、赤点を取らないためにはどうすればいいかということばかり考えていました(笑)

Q.しかし今は中国の信仰を専門としています。どこで意識が変わったのですか。

大学院進学で意識に変化

結局4 年間勉強しなかったので、もうちょっとしなきゃいけないと思って大学院に進学しました。せっかく勉強しに関西まで来たのに、何もしないで卒業・就職というのはすごく無駄になるなって。勉強はできないけど、もうちょっと続けようと思って大学院に進学したのが、今に繋がっています。

Q.大学院の研究テーマを教えてください。

神様の信仰のされ方を研究

封神演義の中にはいろんな神様とか仙人が出てくるんですが、その中の一人を取り上げて、中国でどういう風に信仰されていたとか、そういう研究をしました。

Q.今も同じテーマですか?

中国の民間信仰を研究

そこから広げていって、中国の民間信仰を研究しています。例えば中国には日本の富士山のような『泰山』という山があります。そこには山を司る神様がいて、その神様の信仰が中国の各地域でどういう風に扱われていたかとか、神さまを祀るお祭りをする時にどんな風な活動していたかとか、そういうことを研究しています。

ちなみに、日本の山にも神様がいると言われていますが、日本の山の神様は実態がないというか、山そのものが神様ですよね。これに対して、泰山の神様は人間の姿をしているんですよ。しかも役所とかの仕組みが神様の世界にも持ち込まれていて、神様にも上司と部下がいる。人間の姿・形をしているのは、その方がイメージしやすいというのもあるのかもしれませんね。

Q.大学院で中国語は上達したのですか?

北京大学で必要に迫られて

そうですね。私が中国語を真面目にやったのは博士課程からです。博士課程になると中国人とかと実際やり取りする機会とか増えて、その時にできないとまずいなという焦りからちょっとずつ始めるようになって。ようは必要に迫られてってやつです。一番真面目にやったのは博士課程で北京大学に留学行ってからですね。

Q.中国語の勉強で工夫したことは?

実践で上達

私は博士課程で北京大学に行ったので、語学の授業だけでなく、ゼミにも出ていたんですよ。ゼミでは自分のやっていることを発表しなきゃいけない機会が結構あって、相手に伝わった表現はどんどん覚えていって、伝わらなかった表現は何で伝わらなかったのか授業の後で中国人に確認するようにしていました。実践で使える言葉と使えない言葉を覚えていきましたね。

Q.研究をしていて良かったなと思ったことはありますか?

泰山信仰の研究で招待

さっき泰山信仰を研究しているという話をしましたが、泰山は中国を代表する山なので研究所もあります。2015年にそこで開かれるシンポジウムに出席してほしいと招待されたのは研究が評価されたということなので嬉しかったです。合計2回招待されているのですが、中国人に混じって日本人として出席できたのは研究者として光栄です。

Q.研究テーマとして宗教以外で興味のある分野はありますか?

泰山信仰から中国文化へ

中国の文化とか、一般の人たちの生活とか、そういう方面ですね。神様を信仰する時に生活の中でどんな風に扱われているか、とか。泰山信仰の研究では民衆の活動の研究もしていますが、泰山信仰からテーマを広げて、他でも同じようなことができないかなと思っています。いま国から科研費という研究費をもらっているのですが、科研費では上海のお正月のお祭り、お正月の過ごし方というのをテーマに研究しています。私は文学部出身なので、文学部とか人文学部って、やっぱり人が根本にあるので、そこに絡めて研究していきたいと思っています。

今の学生たちへ

MESSAGE

先生が北陸大学の学生に想うことや、
高校生へ伝えたい想いなどをお聞きしました。

MESSAGE.1

授業に満足してはだめ

北陸大学の学生たちへ

勉強してください、としか言えないですね(笑)自分の専門に関する基礎的な力をつけてほしい。先生が授業で与えられるものは、基礎の基礎の部分。その基礎をベースに、じゃあ自分だったらどう考えるかということができるようになってほしいと思います。授業で満足してはだめで、むしろ授業を批判できるくらいになってほしい。

MESSAGE.2

言葉は道具にすぎない、その先を考えて

高校生へ

研究って言葉を使うと、すごく難しいとか頑張らなきゃいけないってイメージがあるけど、私の研究者への入り口は結局漫画でした。ですので、入り口はどこでもいいから、自分が少しでも興味を持てることを常に探し続けてほしいと思います。高校までの授業は先生が教えたことを全部覚えるという受け身の授業ですが、受け身では見えないものもあります。そうじゃなくて自分で常にアンテナを張り続けて、自分は何が好きで、何に興味ないかとか、そういう好奇心を常に広げ続けていく、そうやって入り口を探していってほしいと思います。

あと国際コミュニケーション学部に入りたい学生は英語とか語学をやりたいという学生が多いのですが、言葉というのは結局道具に過ぎないので、それを使えるからっていって何にもならないですよね。言葉を使って何をしたいのか、言葉の先に何があるのか、どういう未来があるのかということを考えてほしいと思います。

インタビュアーコメント

INTERVIEWER COMMENT

実際にインタビューした学生が、
先生の新たな発見や魅力について記録します。

INTERVIEWER COMMENT

高校生の時に読んだ漫画がきっかけで中国語に興味が湧いたという話がとても興味深かったです。私たちは普段何気なく日常を過ごしています。そうした日常の中にも、人生を左右するような出会いがあるということに気づけたのは大きな収穫でした。どんなに小さなことでも自分の人生に深く関わる可能性があるということを意識するように心がけていきたいと思いました。ありがとうございました!

INTERVIEWER 島谷 啓汰、石川 里奈、山崎 愛奈 撮影:渡邉 希樂

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