教師の長時間労働の常態化が社会的な問題となっています。生徒のためであれば犠牲をいとわないと考える教師も少なくありませんが、労働時間が長くなれば、本来行うべき教育活動、あるいは行いたいと思っている教育活動ができず、教師にとっては厳しい状況です。
教育現場へのAIの導入は、教師の働き方を変える可能性を秘めていますが、一方で「教師のやりがいを奪うのではないか」といった懸念点も多くあります。
私たちは、学校の業務を整理し直してAIによる代替の可能性を明らかにするとともに、教師視点でAI導入に対する懸念点を整理し、教師に寄り添った教育現場におけるAI活用方法を検討しています。教師が本来の教育活動に専念できる環境を整えることは、教育の質を高めるだけでなく、教師のウェルビーイングの向上にもつながります。
本研究の成果は、学校や自治体が教育現場にAIを導入する際の有効な判断材料となるほか、医療や福祉、行政など、人とAIの協働が求められる他分野にも応用可能です。単にAI技術を現場に導入するのではなく、人間のウェルビーイングを守りながらAIを活用する社会の実現に向けた重要な一歩となることを目指し、研究を進めています。
私が考えるウェルビーイングな社会
みんなが“楽しい生活”をすごせる社会。社会が複雑化する中で、配慮することなどが増えてきていますが、AIなどの技術を活用してそれらの負担を軽減し、“楽しい生活”をすごせると素敵だなと思います。