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可能性広げる
ものづくりlab

経済経営学部 マネジメント学科

藤本 雄紀 講師

- TEACHER’S KEYWORD -

  • #情報学
  • #テキストマイニング
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  • #機械学習

PROFILE

経済経営学部 マネジメント学科

藤本 雄紀 講師

趣味 ギター、ベース、DJ、バイク

北陸大学ものづくりLab主宰
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Q.なぜ、関西大学に?

文系でもプラグラミングがしたい

高校3年生でそろそろ大学を決めないといけない時、僕は文系クラスにいました。でも、文系でもパソコンとかがすごい好きで、ロボットを作りたいとか、理系分野に興味があった。なので、文系でも行ける理系っぽい学部を探してたんですよね。で、調べたら関西大学の総合情報学部というのがあって、そこが文系でもプログラミングができる学部だったので目指すことにしました。

Q.大学生活はどうでした?

1-2年は遊んで、3-4年はITベンチャーで

1-2年生の時は遊んでばかりで、漠然と過ごしていました。うちの学生は毎回課題を出されて大変そうだけど(笑)、僕がいた学部は定期試験の比重が大きかった。なので、たまにサボったりして、友達とカラオケに行ったり、サークルに参加したり、そんなことばかりしてましたね。

プログラミングをしたいという理由で入ったのに、そろそろやばいなぁって思ってた2年生の時、ある先生が授業でアプリ開発のメンバーを募集していたんですよね。当時はまだスマートフォンが出たばかりの頃で、スマートフォンで顔に関するアプリを作るって話になっていて、あっ、これ面白そうって。結局、その先生のゼミに入って、そこからはずっと研究室にこもってアプリを作ったり、いろんな仕事をしたりしていました。

そのゼミはIT ベンチャーを立ち上げていて、社員になれば自分で学費を稼ぐことができるって聞いたのも、そのゼミを選んだ理由ですね。そこに所属していろんな企業の人と仕事をしたのが 3年生から4年生の時。だから1―2年生の時は遊んでいたし、 3―4年生の時は IT ベンチャーで仕事しかしなかった、そんな大学生活でした。

Q.大学院に行った理由は?

1ミリも行く気はなかったけど・・・

ノリと勢いですね(笑)大学1―2年生の時は1ミリも行く気はなかったんですけど、周りが行くから行こうかなって感じで流れで決めました。

Q.研究テーマは?

twitterからデータを集める技術で博士論文

4年の時はアプリを作るというのがテーマでした。拡張現実(AR)でナビアプリを作るのが面白いと思って卒論で書いたけど、大学院に入ったらそれだけじゃダメでちゃんと研究しないといけないということで、Twitterを対象としたデータを集める技術に関して博士論文を書きました。

Q.具体的には?

事故や渋滞情報をツイートから検知

大きなテーマとしては高速道路に関する情報をTwitterから収集・分析・可視化する技術の開発でした。例えば事故や渋滞に関するツイートは日々流れてくると思うけど、運転者視点での事故の状況の映像とか、リアルなユーザーの声は道路管理者の人にとって有益な情報になり得る。そういう情報をうまく抽出して道路管理者の方に提供する仕組みを作ったのが大まかな研究内容です。

でも単純にツイートを検索してもいい情報は中々手に入らない。例えば,みんなも渋滞に巻き込まれたら「渋滞なう」とかつぶやくだろうし、原因が事故だったとしたら「事故で渋滞かよ~」とかつぶやくと思います。でも、事故なうってつぶやかれても、それがどこの情報か分かんないので、ツイートの投稿タイミングと渋滞情報を照らし合わせて位置情報を推定する技術を開発しました。

さらにもう一つの問題は、情報の信頼性です。わざとデマを流す人は少なくても、拡散されてしまうと混乱の元となってしまう。なので、道路に関する情報の発信者の属性(年代や性別など)に着目して、この人のツイートは信頼に足るものかを評価したうえで抽出する技術も開発しました。例えば、東京にいる学生の「大阪の○○で事故なう」っていう情報よりも普段出勤で大阪の高速道路を使っているサラリーマンの情報の方が信頼性がありますよね。そういう人の属性を過去の投稿パターンや位置情報から推定して信頼性を評価するアルゴリズムを開発しました。

まあ、ギュッと言うと、ストーカーして高速道路の事故や渋滞情報を検知するシステムを開発したってのが研究テーマですね(笑)

Q.今後、特に取り組んでいきたい研究テーマは?

様々な問題を技術で解決

僕の性格上何か一つをとことん突き詰めるのは向いてないと思うので、新しい技術もどんどん取り入れて色んな課題解決をしていきたい。人工知能(AI)、 IoT(モノのインターネット)、仮想現実(VR) 、 AR などの技術も使って、企業、地域、他分野の様々な問題を技術で解決することに注力したいです。

Q.ものづくりLabはなぜ作った?

文系・理系の壁を取っ払ってプログラミングなどを学べる環境を

さっき話した関西大学に入る時の理由もそうだったけど、文系でプログラミングを本当はしたいけど、経済学部とかであまり興味のない学問を学んでる学生さんって多分多いと思うんですよね。本当はロボット作りたい、本当は実験をしてみたいって思ってるのに、文系・理系というくくりがあるから(これは日本の悪いところだと思うんだけど)分断されちゃってるわけですよ。

そういう分断が起きてるのは我々大人の責任であって、学生さんの問題じゃない。だから、文系でそういうことをやりたいって学生さんをどうやって救うかって考えた時に、文系だけどプログラミングとかIoT、AIを学べる環境を作った方がいいよねってことで、このものづくりlabを作った。僕みたいに文系だけどプログラミングとかできるような人が増えたらいいなって思って。

だから、ここに来て自分のやりたいことをいっぱいやってもらって、就職活動や自分の自己実現とか、可能性を広げられるような場所に今後もしていきたい。高い機械も無料で使える場所なので、使わないともったいない。いろんな学生さんにこれからも使って欲しいと思ってます。

今の学生たちへ

MESSAGE

先生が北陸大学の学生に想うことや、
高校生へ伝えたい想いなどをお聞きしました。

MESSAGE.1

自分で限界をつくらず、やりたいことに挑戦を

北陸大学の学生へのメッセージ

自分で限界作っちゃうような感じはありますよね。失敗しちゃったとか、僕の限界はこのあたりとか、ちょっと劣等感を持っている学生さんが多いと思う。他の大学生と比べると“私なんて僕なんて”みたいな感じで、色んなことに挑戦しないようなイメージがあります。

でも、それは自分で限界を作ってるだけで、ちょっと挑戦してみればいろんなことができる。例えば今ここにいる学生(*)はみんなプログラミングをしたことなかったけど、いろんなところで表彰されたりとか、プログラミングの技術でイベントに出展したりとかできてるわけだから、特段能力が低いわけじゃない。だから、自分のやりたいことに挑戦した方がいいよ。

(*)インタビューは学生がいる「ものづくりLab」で行われた。

MESSAGE.2

自分が苦しくないように生きて

高校生へのメッセージ

僕は高校生の時、野球部だったんだけど、アニメが好きでしたし、ゲームばっかしてるし、友達付き合いもあまりないタイプだった。高校生ってクラスとか学校の中での評価がすごい重要じゃないですか。その枠にとらわれてると、すごい生き方が苦しくなる。でも一旦その環境から抜け出したら、高校生の時の人間関係が苦しいとか、部活を頑張らなきゃとか悩みは、一切どうでも良くなって、自分が何やりたいかとか、社会に入っていくためにどうしたらいいかって、未来を考えてるもんです。一時の評価のために自分を殺さないで欲しいですね。クラス内でちょっと浮いてるくらいの子の方が社会に出てから能力を発揮できると思いますよ。高校生には、自分の視野は実は狭いんだよってのをまず気づいてほしい。向けるべき目線はクラス内ではなく日本とか世界で、自分がどこで活躍できるかっていうのを考えて生きていって欲しいです。

これは賛否両論あると思うんだけど、自分が苦しくないように生きた方がいい。例えば野球の甲子園ってあるでしょ。甲子園に出られる子はいいけど、甲子園の2軍の子ってすごいツラいじゃないですか。甲子園に出られないし、2軍って烙印を押されて、もっと頑張れって言われる。でも、甲子園に出るくらいのチームの 2 軍って、実は普通の高校生に比べてはるかに野球の技術は高いじゃないですか。普通の高校ならスタメンを張れるのに、そういう環境にいるから2軍になっちゃう。だから活躍できる場所をちゃんと自分で見極めないとダメ。苦しい思いをしないように、自分に合ってない場所だと思ったらすぐに別のところにいく軽いフットワークが重要ですね。中々難しいですけど。

多分、いまツラい思いをしてる子がいっぱいいると思います。だけど、それって本当に3年間とか短い期間。そこだけ乗り切ったら、あとは何十年とは楽しい人生が待っているわけですよ。だから、いま苦しかったとしても、一時的なものだから、それが過ぎ去った後にどう生きたいかってことを考えて進路を決めていってほしいなって思います。

インタビュアーコメント

INTERVIEWER COMMENT

実際にインタビューした学生が、
先生の新たな発見や魅力について記録します。

INTERVIEWER COMMENT

自分で限界を作らず、やりたいことに挑戦してほしいというアドバイスが胸に刺さりました。無意識に作っていたのかもしれません。藤本先生自身も北陸大学に着任して、ものづくりlabを立ち上げたり、イベントに出展したり、精力的に活動されています。私たちも負けずに頑張らなければと思いました。

INTERVIEWER 安達瞳 加茂優佳 佐波風汰 宮田怜奈

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