全国の寝たきりの人の自信や輝きを取り戻す
株式会社フレアス 代表取締役社長CEO
澤登 拓
1993年 外国語学部中国語学科 卒業
澤登さんは北陸大学在学中に中国で漢方治療に出会い、身体の不調が治った経験から訪問マッサージ事業の株式会社フレアスを創業した。同社は2019年に東証マザーズ上場を果たし、成長を続ける

学生時代の思い出と起業の経緯

僕は子どもの頃から身体がとても弱く、小学生で十二指腸潰瘍を患いました。痩せていて、消極的で、本ばかり読んでいるような子どもでした。高校生になると今度は自我が芽生え、学校にはほとんど行きませんでした。
転機が訪れたのは大学時代。語学の勉強に加え、日本ではどうしても治らない身体の不調を治すという目的を持って中国に長期留学しました。北陸大学の姉妹校の北京中医薬大学を紹介してもらい、処方された漢方薬を飲み始めたところ、急に体調が良くなったんです。体調が良くなると気持ちも前向きになります。この技術を日本に持ち帰り、自分のように不調を抱える人たちの助けになりたいと思いました。
日本で東洋医学というと入口は鍼灸マッサージです。そこで大学卒業後、熱海の専門学校に入り、鍼灸マッサージ師の国家資格を取りました。その後1年間鍼灸院に勤務した後、訪問マッサージ事業で起業しました。

経営者としての軸

鍼灸マッサージ師は中国ではドクターとして認められていますが、日本では地位が低く、年収300万円を超えられない世界だと言われています。フレアスは社員の27.3%が障害者ですが、盲学校を卒業して当社に入社すれば、年収300万円の壁は一気に超えます。彼らと二人三脚で高齢者宅を訪問するドライバーはシルバー人材の方が多いのですが、「人の役に立ちたい」という思いが強いんです。社会的弱者とされる人たちがチームになって動くことで大きな価値を生み出すことができるのです。
起業間もない頃、身体の痺れで夜も眠れないという患者さんに、「あなたが来てくれて眠れるようになった」と涙を流して喜ばれたことを覚えています。人はちょっとした支援で自信や輝きを取り戻せます。そうした患者さんを何人も目の当たりにすると、何より僕自身が嬉しかった。10代の頃の自分が救われたような気持ちになったんです。学生時代からつながる自分自身の経験が、経営のビジョンとなり、エンジンとなっています。

※所属・肩書は取材時点(2021年12月)のものです。

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